ウニの意外と知らないけど知るとちょっとおもしろい生態とは?
皆さんが何気なく食べているウニ。
その生態について、意外と詳しく知らない人が多いかと思います。
中には高校時代に生物の授業で実験した!
という方もいるのかもしれません。
文系の自分には縁遠い話ですが…。
さておき、その方は復習がてら
ウニの生態系にお付き合いいただければと思います。
そもそもウニってどんな生き物?
ウニは棘皮(きょくひ)動物に属する、 ヒトデやなまこの仲間です。
石灰質の骨板がぴったりくっつきあってできた球状の固い殻をもち、内部は体液で満たされています。
その中に消化管と生殖巣があります。
ちなみに我々がいつも食べている部分はこの「生殖巣」なんです。
他の食べ物でいうと、冬限定販売の真たらの白子などでしょうか(鱈の精巣)。
口は球状の殻が海底の基盤に接する面にあり、肛門はその反対側、すなわち背面にあります。
長短さまざまの棘をもち、その間にある吸盤状の管足をつかって動きます。
棘の間には、やっとこはさみの形をした叉棘(さきょく)があり、体の掃除や身を守る為に使われます。
表面のトゲは外敵から身を守るためにあります。キタムラサキウニのトゲには毒があり、
手に刺さると化膿するので、礼文島の診療所では、年間に何人もの人が抜きにくるのだとか。
※僕も一度行きましたが、トゲが案外柔らかく、抜こうと思うと途中で折れてしまいます。
また、トゲは移動にも使い、根本から大きく動かしながら移動を行います。
水槽などにいる時は壁にピッタリくっつく時にもつかいます。
基本的に海底にいますが、ムラサキウニは浅いところを好んで生息しています。
漁師さんは浮上してきたウニを「たも」と呼ばれるウニを掬うように漁をしているのです。
ウニは大人になるまでにはエゾバフンウニだと、2年ほどの年月がかかります。
平均寿命は7~8年、キタムラサキウニだと少し長くて14~15年程度と言われています。
ウニはなにを食べて生きているの?
うには我々と同じ雑食なんです。
世界には約900種のウニが確認されています。
多くのウニは岩に付いた藻や流れてくる藻を食べて生活しますが、
中には泥ごとそこに含まれているプランクトンなどの有機物を食べたり、
魚の死骸など食べる種類のウニもいるそうです。
(※ちなみにエゾバフンウニやキタムラサキウニなどの
日本の食用ウニ類は自然海域では海藻類を餌にしているのでご安心下さい!)
また、泥のような餌を食べているウニでも、
昆布を与えると昆布を積極的に食べるんだそうです。
雑食とはいえ、美味しいものを食べたいのは
人もウニも一緒なんですね!
エサでウニの味が変わる?
ウニはとっても食いしん坊!
一度に自分の体重の1割の重さの 昆布を食べてしまうほど、 ウニの食欲は旺盛です!
また、昆布が豊富な海域では 雲丹の風味も増し、味も格段に甘味が深くなります。
ウニの味や風味は餌となる昆布に 左右されると言っても過言ではありません!
日本でも高級で知られる利尻昆布を食べて育った、
利尻・礼文のウニの味覚、ぜひ一度ご賞味くださいませ。
産地でいうと、当店で扱っている 礼文島産の島ウニは「利尻昆布」、
羅臼産の折ウニは「羅臼昆布」を 食べて育っているため、
通常のウニや輸入産のウニよりも 美味しく育つわけです。
特にエゾバフンウニはかなりの食通で 昆布しか食べないんだそうな。
より濃厚な旨味はそんな秘密があるんです。
知られざるウニの栄養素とは?
美味しいだけじゃないんです。
ウニは栄養も豊富なんですよ!
ミネラルいっぱいの昆布を食べたウニは、
海の栄養もギューっと詰まっています。
うには昔から「海のホルモン食」と言われ、
強精薬がわりに食べられてきました。
うにに含まれる「タウリン」はコレステロール値の減少、
不整脈の改善、動脈硬化・心臓病・肝臓病の
予防などの効能があるといわれています。
貧血予防や免疫力向上も期待ができると
されている「鉄分」も豊富に含まれております!
また、ウニ独特の鮮やかなオレンジ色は ビタミンAに似た働きする
エキノネン・エキノクロールA という色素によるもので、
皮膚や粘膜を健康な状態に保つ美肌効果、
老化予防やがん予防にも一役買うという説もあります。
と長々とウニの生態について語ってみました…いかがでしたでしょうか?
意外と知らないウニの実態、 ぜひ食べて実感してみてください!